フジコヘミングと紫陽花に思う
もうぼちぼち梅雨入りだなぁ。
肌に触れる空気が湿気を帯びてきた。
それだけ考えるとなんともうっとおしい季節であるけど、梅雨ならではの楽しみもある。
7月ほど暑くないし、紫陽花が綺麗。
白、濃いピンク、濃い紫色、薄いピンク、薄い紫色の花。みんなにじむような色で雨に濡れて光ってる。
なのとも涼やかな華やかさだろう。
雨に濡れた紫陽花を眺めながら、フジコヘミングさんの弾く ショパンのノクターンを聞くのはなんと愉しいことだろう。フジコさんの音色には、生きる喜びや悲しさや苦しみが溶けて紫陽花のようににじんでいる。彼女が苦難の人生を希望を捨てずに懸命に生き抜いた力強さやたくましさ、心の底から涌き出でる清らかな優しさが音色ににじんでいる。
彼女の生きてきた全てが音色に現れている。
私は彼女の音楽から彼女の生き様と人格に深く感銘を受けた。芸術はこんなに人に生きる勇気を与えるものなのだと初めて知った。
私も彼女の様に動物を慈しみ、多くを持たず、あるものに感謝して、日々の小さな喜びを見出し愛でて、暮らしを愛し、人生を愛して生きて行きたい。
美しい景色を見られる喜び、美しい音楽を聴ける喜びを感じながら、そんなことを思う。