お手入れ中のまろ君とおしゃべり
まろ君に騎乗させてもらった後は、感謝とねぎらいの気持ちを込めてお手入れする。
まろ君の表情をじっくりと観察する。
まろ君は首にテニスボールくらいの筋肉のコリの様なものがたくさんある。会有馬としてレッスンに出でいる時に首をあげてひねりながら走っているので首がこるのかもしれない。最近は腰も痛いのか鞍の前橋を少し持ち上げても尻尾を振る。
首を優しくブラッシングしようと近づくと、
まろ君 あーん⁉︎何すんねん!首痛いゆーてるやろ‼︎
と耳を伏せ、振り返るその目はさんかくになっている。
私 まろ君、せやけど首にホコリとかついてるし、めっちゃ力弱くしてるで
まろ君 とにかく首触られるが嫌やねん。
私 わかったわーほな、手でマッサージして乾いたマイクロファイバーのタオルで拭くわ
まろ君 そうして
とこんなやり取りがあったので、敏感な首はハンドマッサージ。耳の横あたりが気持ちいいみたい。
まろ君 おーそこそこ。それぐらいの力の入れ具合がいいわ
私 ほな、そろそろ背中から腰までやろうかな。背中と腰はブラシで大丈夫やね?
まろ君 いいけど背中も腰も痛いことは痛いから、緩めにしてな。
私 わかったよ
左手でハンドマッサージしながら、右手はブラシでブラッシング。これにはまろ君も気持ちよさそうにとろんとしてあくびをしたり、くりくりのお目目で外を見ている。まろ君は首を上げて走っているので腰に負荷がかかっていると思う。腰を重点的にマッサージする。
毎日お仕事を頑張っているまろ君の痛みやコリを少しでも緩和させてあげたい。
人間も左右対称な人は稀で、だいたいの人が歪みやコリや痛みを抱えて生きている。
馬も同様に歪みやコリや痛みを抱えてお仕事を頑張っているのだろう。そんな馬たちに報いてあげるためにも、軽速歩は柔らかく軽く乗る、正反動は鐙をしっかり踏む、拳は静定、手首と足首を柔らかくして、馬に負担のない乗り方をしたいと思った。
どの馬にも痛みやコリや歪みがあって体が動かしにくい部分もあるだろうから、その点を配慮して騎乗した時に運動を組み立ててあげないといけないな。
人間でも体が超硬い人にバレエを踊れって言っても無理なのと同じ。
馬に無理強いをしてしんどい思いをさせないためにも、もっと勉強して上手くならないと。
人間にも整体やヨガやマッサージがあるように、馬にも騎乗してヨガみたいに体をほぐしてあげて、ハンドマッサージで体の痛みやコリをほぐしてあげられる様になれたらいいなぁと思う。