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がんばらなくても幸せになれる

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馬はゆかいな友達 馬とたくさんお話ししよう まろ君との会話 初秋の洗い場編 

馬は生涯の友達

馬はゆかいな友達

馬といろんなお話をして、馬と心を通わせることこそ・確かな信頼関係の上に馬と友達になることこそが乗馬の本当の醍醐味だ。

騎乗しているときのまろ君の気持ちはまだ十分に汲み取ってやれていないが、洗い場でのまろ君の気持ちはよくわかる。

ぼーっとしたり、外の景色を眺めたり、何か考えている。首と背中は触られるのが痛いから嫌、ブラシは優しく軽くゆっくりかけるのがお好み。できるだけ早く手入れをして、厩舎に帰っておやつをもらいたいらしい。

いつも洗い場でまろ君とお話をしている。

「まろ君、やっと涼しくなったなぁ。今年の夏はめちゃめちゃ暑かっよな。よくあんな暑さの中で、毎日お仕事頑張ったよな。ほんまに偉かったなぁ」

まろ君せやねん、めっちゃ暑かったからしんどかったわ。どこにいても暑かったけど、屋根のない馬場はもう耐えられへん暑さやったわ。ほんまにしんどかった。」

「うん、わかるよ。人間はクーラーのある部屋で涼めるけど、まろ君とか他の仔たちはずっと暑いところで過ごさなあかん上に、灼熱の馬場で仕事せなあかんかったよな。馬場から帰ってきたときに冷却してくれたらいいけど、そのままやったしな。せめてお仕事の時間を短縮とかして欲しかったよな。私はあんなに暑いときにまろ君や他の仔たちをしんどい目に合わせたくなかったから、騎乗せーへんかったで。また涼しくなったら乗ったらいいし。夏はあさイチか夕方、それも時間短縮で今年の夏は騎乗することにしたもん。晴耕雨読って考え方がある様に、暑いときは無理をせず、読書して知識を蓄えたらいいと思うわ。」

まろ君「そう考えてくれるとありがたいわ。ほんまに今年の夏はしんどかったもん。おじいちゃんも仕事してはったけど、本当にしんどそうやったで。」

「まさに異常気象やよな。そうさせたのも便利な生活を享受している私たち人間やねん。ごめんな。自分の欲望を最大化させる生き方は如何なものかと、最近の日本国中の災害や異常気象をニュースで見るにつけ、あの暑さを思い出すにつけ、感じるわ。人間にとって快適な世界を追い求めた結果、動物たちがすこぶる生きにくい世界を人間が作ってしまったな。他を搾取して己の利益を優先させる様な生き方は本当にあかんな。人間も他の動物も住みやすい世界にしていくためには、自分自身の生き方を見直さなあかんなと思った夏やったわ。」

まろ君「せめて朝夕だけでも気温が下がってくれたら、疲れが取れるんやけど、朝夕の気温は全然下がらへんかったわ。ずっとサウナの中みたいなベターッとまとわりつく様な暑さやったわ。」

「うんうん。今年の夏は暑すぎて、何度も自分に負けそうになったわ。まろ君の手入れをしんどいと少しでも思ってしまっている自分の弱さが悔しかったわ。自分の弱さを思い知ったわ。まろ君の蹄も一気に悪くなって心配やったわ。」

まろ君「せやな」

「馬と関わる全ての人が騎乗する馬に対しての責任があるよな。自分だけが楽しければいいってもんじゃないと私は思ってる。馬の体・蹄のケアにも責任があるし、騎乗しているときも馬の心身に及ぼす影響に対しても責任があるわ。馬にも心がある。下手な私を乗せてくれていることへの感謝と労いを忘れたらあかんよな。まろ君、いつも私の下手な扶助に耐えてくれてありがとうな。」

まろ君「そう思ってくれてると嬉しいわ。正直、上手くない扶助にいつも耐えてるよ。でもそうやって話を聞く耳を持っていてくれるのといないのとでは、僕らの安心感は全然違うで」

「そうなんや、これから一層勉強してまろ君が安心してリラックスしてくれる騎乗を目指して頑張るわな。」

まろ君「うん、頑張って」

リーンリーンと虫の声が聞こえてくる。

香ばしい様な秋の冷たい風が吹く。

暗くなるのが早くなった。

まろ君の背中を撫でながら、この背中に毎日どれだけの人を乗せてどんな思いで毎日を過ごしているのかなと思う。背中や腰はどれぐらいの痛さなのだろうか。

馬房にいる時、手入れをしている時、まろ君はいつも何かを見ているけれど、何かを思い出したりしているのだろうか。

北海道の草原を走っていた時の楽しかった時を思い出しているのだろうか。

幼くして別れたお母さんのことを思い出しているのだろうか。

広い馬場で自由に思いっきり駆けたいと思っているのだろうか。

翻訳機があればまろ君の本音を聞いてみたい。

タイムマシーンがあればまろ君の誕生から現在までの旅を見てみたい。

 

異常に暑い夏が去り、ようやく過ごしやすい季節になった。

まろ君がこの夏をなんとか乗り切ってくれたことに心から安堵する。

猛暑の日差しにしんどそうに耐える馬たちの顔をみるのは辛かった。

馬たちのしんどうそうな顔を見るのは辛かった。

全ての馬が幸せになれることを祈る。

そして私にできることは何かを真剣に考えて、一つでも実行に移すべしと自分に言う。

馬たちの幸せそうな顔が見たい。

来年の夏は普通の夏であってほしい。

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